カラダに自然な1日の過ごし方《十二時辰養生法》


十二時辰養生法 [Shí’èr shí chén yǎng shēng fǎ] (じゅうにじしんようじょうほう) :
中國最古の医学書と言われる黃帝內經 [Huáng dì nèi jīng] (こうていだいけい) より伝わる健康維持法です。

《十二時辰養生法》

十二時辰養生法

健康を維持するには「気」と「血」のバランスがとても重要となります。

気血*は身体の十二の経脈を通じて全身を巡ります。

また五臓六腑*の機能は1日の時間帯によって変化します。

最適なタイミングでのケアが、身体の各器官を自然な状態に保ちます。



05:00-07:00 大腸 (だいちょう)

白湯を飲み排便を促す時間

大腸を健康に保つには、良好な排便習慣を維持しなくてはなりません。

朝起きてから白湯500mlくらい飲むことで、宿便の排出を促します。
また夜間に失われた水分も補います。

白湯 (さゆ) とは5分以上沸騰させたお湯のことです。沸騰させる際は、鍋や薬缶の蓋を外して蒸気を逃がすことで、水に含まれる不純物が取り除かれます。

白湯は冷ましてから飲みますが、40℃くらいの温かい状態で飲むことに意味があります。



07:00-09:00 (い)

朝食を摂る時間

朝食は絶対に欠かしてはいけません。十分な朝食が一日を活動的なものにします。

繊維質や低GI食品を中心とした食事が最適です。

低GI食品とは「食後の血糖値の上昇を穏やかにする食品」のことで、動物性タンパク質乳製品でんぷん質を含まない野菜類がそれに当たります。

またビタミンA, C, E, B1を多く摂ると、大腸直腸癌、食道癌、乳癌、胃癌の予防に効果的です。



09:00-11:00 (ひぞう)

適量の水分を補給する時間

体内の水分量を適切に保つことは、脾臓の栄養消化吸収を高めます。

気血が各器官へ栄養を運び、大脳の働きを活発にします。



11:00-13:00 (しんぞう)

昼食を摂り休憩する時間

一日で陽の気が一番高まる時間帯です。

昼食の後に10-15分ほど休むことで、心身を落ち着かせ血流を正常に保ちます。



13:00-15:00 小腸 (しょうちょう)

水分を補給し血管を保護する時間

小腸は良い気と栄養素を吸収し、全身へ送り出す器官です。
悪い気と残りカスは大腸へと送られます。

身体が一番活発な時間帯に質の高い栄養を吸収することで気が高まり、水分の代謝が良好になって全身の血液循環が維持されます。



15:00-17:00 膀胱 (ぼうこう)

水分を補給し排尿を促す時間

大事な水分補給の時間帯です。
水やお茶を飲むことは膀胱が体内不純物を排出するのを助けます。
また水分は腸の運動を促し、有害物質が腸に留まる時間を短縮させます。

1日4杯の水を飲む人は、1日2杯の人に比べて大腸癌、膀胱癌、尿管疾患、乳腺癌の発生率が低い傾向にあります。



17:00-19:00 (じんぞう)

少量であっさりした夕食を摂る時間

糖質を抑えた食事を摂ることが好ましいです。
米1碗を1/3-1/4にするなど、炭水化物の摂取を減らして低脂質・高繊維を心掛けます。

腎臓は体内の水分を調整する器官です。そのため各臓器の機能を維持するには腎臓を健康に保つ必要があります。体内の水分バランスが崩れると老廃物が体内に蓄積されていき、長く蓄積され続ければ癌に繋がります。



19:00-21:00 心包 (しんぽう)

落ち着いて寛ぐ時間

心包*は血液の循環を調節して、邪気から心臓を守ります。

緊張状態や憂鬱な感情が長く続くと、内分泌の機能が失調します。
腕を広く伸ばして胸を大きく広げると、緊張がほぐれてリラックス効果が高まります。

五臓六腑の不均衡は、癌を誘発する可能性を増大させます。
楽観的、前向きな考えを保つことは癌予防の最良の方法です。



21:00-23:00 三焦 (さんしょう)

眠りを迎える時間

落ち着いた心で睡眠を迎えることは、五臓六腑に十分な休養と調整の時間を与えます。

三焦*とは西洋医学の内分泌系統に当たります。この部分の健康は身体の多くに影響します。日頃のケアによって機能が正常であれば、邪気が体内に入り込んでも、この器官が体外へと排出させるので、簡単に病気にはなりません。

自律神経を調節して情緒を安定させる事で、免疫系統による排毒が期待できます。



23:00-01:00 (たんのう)

寝ているべき時間

とても重要な体内メンテナンスの時間です。

23時までに就寝することで心身の安定を保ちます。
夜更かしをすると胆嚢の気が不足し、翌日の精神力を低下させ、思考や決断力に影響します。



01:00-03:00 (かんぞう)

熟睡しているべき時間

肝臓は人体最大の排毒器官です。

夜更かしが多い人は特に肝臓の機能が低下しがちです。
肝臓の機能が低下すると体内に毒素がどんどん蓄積されます。

睡眠時間を確保し過度の疲労や緊張を避けることで、正の気を維持し肝臓の排毒を促します。

眠りに就く為に酒を飲む「寝酒」をする人も多いですが、アルコールは入眠を促す代わりに睡眠の質を低下させ、睡眠時無呼吸症や日中の眠気を引き起こします。
また飲酒は肝臓を大きく傷め付けます。



03:00-05:00 (はいぞう)

熟睡と深い呼吸の時間

全身を巡る血脈は直接的または間接的に肺へ集まり再び全身へと送られます。それゆえ各器官の良し悪しは必ず肺の経脈に現れます。

肺を健康に保つ最良の方法は、良質な睡眠を維持することです。
また深い呼吸は体内から悪い気を吐き出し、良い気を取り入れます。

早起きな高齢者などは、この時間帯に肺を冷やさない様に注意が必要です。

腹式深呼吸を行う事で温かい空気が肺を巡り、体内の気を入れ替えます。
下腹部の丹田が膨らむ感じを意識ながら、空気を深く吸い込んでゆっくりと吐き出します。何度か繰り返すと、呼吸の度に内蔵機能が強化され、肺活量も高まります。



用語解説

五臓六腑 (ごぞうろっぷ)

身体の内臓器官を表す言葉。心包を加えて六臓六腑とも言う。

五臓 : 肝・心・脾・肺・腎
六腑 : 胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦

気血 (きけつ)

生気と血液のこと。

近代以降は「気血」に血液以外の体液を指す「水 」を加えた3つの要素「気血水」が身体を支えていると考える。

心包 (しんぽう)

五臓とは別格の実態の無い臓器で、心肺と胸部にある経脈のこと。

三焦 (さんしょう)

五臓六腑の腑の一つで実態の無い臓器のこと。上焦、中焦、下焦で成り立つ。全身の気と水の巡りを調整する器官。



総括

・朝は7時までに起きる。

・起きたら白湯を飲む。

・朝食は欠かさない。

・日中の水分補給を怠らない。

・夕食は食べ過ぎない。

・夜は23時までに寝る。


<参考文献>
十二時辰養生法, 錦禾中醫診所 嵇煒怡醫師, 2020
中医学の診断法, クラシエ薬品
東洋医学の言葉一覧・検索, Timeless Edition®

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